「クルマの中で過ごす時間」を、もっと快適に。
そんな発想から、家電メーカーのシャープが打ち出した新しいEVコンセプト「LDK+」が注目を集めています。
もはや“移動手段”の域を超え、「家の一部」として使える車を目指したこのモデル。
「住めそう」ではなく、「住めるように設計されたクルマ」として、シャープが目指す未来のモビリティ像とは何なのでしょうか。
シャープがEVを発表した理由

画像引用元:ECナビ
2025年10月に開催されたジャパンモビリティショー(JMS)2025で、シャープは電気自動車(EV)のコンセプトモデル「LDK+」を公開しました。
一見すると「家電メーカーが車を?」と驚く人も多いでしょう。
しかしシャープの狙いは、単なるEV開発ではなく、「停車しているときのクルマ」の価値を見直すことにあります。
「クルマはその生涯の95%以上を“停まっている状態”で過ごします。その時間をどう有効活用できるかを考えたのが出発点でした」(プロジェクトチーフ談)
シャープが提案するのは、走る家電ではなく“動くリビング”。
「車中泊」ではなく「車内居住」という、新しい生活スタイルを描いています。
「クルマを家の一部に」──新しい発想のLDK+
LDK+というネーミングは、家の間取りに由来しています。
“Living(リビング)・Dining(ダイニング)・Kitchen”の略に「+」を加えたこの名前には、「車がもう一つの部屋になる」という意味が込められています。
「例えば3LDKの家に住む若い夫婦が、子どもが成長して部屋が足りなくなったとき。
クルマを“プライベート空間”として使うことで、新しい居場所をつくることができます」(シャープ担当者)
家の延長として、在宅ワークや趣味、休憩などに活用できるようデザインされており、もはや“車中泊”という言葉では収まりません。
広々とした室内と、家電メーカーならではの快適装備
LDK+のベースは、台湾・鴻海科技集団(Foxconn)製EV。
しかし内装や電子機能、スクリーン設計はすべてシャープが手がけています。
車体はトールワゴンよりやや大きめで、運転席を回転させることで車内がリビング空間に変化。
折りたたみ式テーブルや可変式スクリーンも搭載され、外からの視線を遮る“曇りガラスモード”も用意されています。
「走るのではなく“とどまる”ことを前提に設計した車です。外の音が少なく、静かな環境で集中できる空間になっています」
さらに、車内にはシャープ独自の「プラズマクラスター空気清浄機」を搭載。
エアコンや照明と連動し、快適な空気環境を自動で整えることができます。
AIと顔認証で“あなた好み”に最適化
LDK+では、AIによる学習機能と顔認証システムも導入予定。
利用者の生活リズムや好みを分析し、
- 照明の色や明るさ
- 座席位置
- 音楽・温度設定
といった環境を自動調整してくれる設計です。
「移動」だけでなく「暮らす」ためのEVとしての可能性が広がります。
家電とモビリティの融合が生む、新しい生活空間
EVが普及する中、「クルマをどう活かすか」という課題に対して、シャープは「停車時間の価値」を提案しました。
これまでのEV開発は“走行性能”や“電池性能”が中心でしたが、シャープはそこに“居住性”を加えたのです。
この発想は、家電開発で培われた「人の暮らしを快適にする技術」がベース。
車を“もう一つの生活空間”として捉え直す試みは、住宅・モビリティ・エネルギーの境界をなくす挑戦でもあります。
2027年の販売を目指す
シャープは、2027年のEV販売開始を目標にしています。
今後は航続距離やサイズ、価格設定などを市場調査をもとに調整する予定で、今回のコンセプトモデルから仕様変更される可能性もあるとのこと。
しかし、「移動できる家」「もう一つの部屋」というビジョンは変わりません。
まとめ
「クルマでも家電でもない、新しい生活空間」─
─それがシャープの「LDK+」。
EVの普及が進む中、単なる“エコカー”ではなく、“暮らしを拡張する存在”としてのクルマづくりが始まっています。
この記事のまとめ
- シャープがEVコンセプト「LDK+」を発表
- 停車中のクルマを“家の一部”として活用
- 車内に空気清浄機やAI最適化機能を搭載
- 災害時の生活空間としても利用可能
- 2027年の販売を目指し開発中
「乗る」から「過ごす」へ。
シャープが描く未来のクルマは、私たちの“暮らしの形”そのものを変えていくかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました!
