お盆は、ご先祖様や故人の霊を自宅へお迎えし、感謝の気持ちを込めて供養する日本の大切な行事です。
その際に欠かせないお供えの一つが「花」です。
しかし、
- お盆にはどんな花を選べばいい?
- 菊以外でも飾っていいの?
- 飾ってはいけない花はある?
- 生花と造花はどちらがいい?
このような疑問を持つ方も少なくありません。
結論から言えば、お盆の花に厳密な決まりはありません。
ただし、仏事にふさわしいとされる花や、昔から避けられてきた種類があるため、基本的なマナーを知っておくと安心です。
この記事では、お盆におすすめの花の種類をはじめ、避けたほうがよい花、お供えする際のマナー、花を長持ちさせるコツまで詳しく解説します。
- お盆とは?花を供える意味を知っておこう
- お盆におすすめの花12選
- 新盆(初盆)の花選び
- お盆のお供えで避けたほうがよい花とは?
- お盆の花は生花・造花どちらがよい?
- 花束とアレンジメント、どちらを選ぶ?
- 仏壇への飾り方
- お盆の花を長持ちさせるコツ
- よくある質問
お盆とは?花を供える意味を知っておこう

地域によって日程は異なりますが、多くの地域では8月13日から16日に行われます。
一方、東京など一部地域では7月13日から16日に実施される「7月盆」が一般的です。
お盆には迎え火や送り火を焚いたり、お供え物を並べたりして、ご先祖様をお迎えします。
お供えの基本は「五供(ごく)」
仏教では、供養の基本として「五供」があります。
- 香(線香)
- 花
- 灯明(ろうそく)
- 浄水(水・お茶)
- 飲食(ご飯・果物・お菓子など)
この中でも「香・花・灯明」は三大供養と呼ばれ、とても大切なお供えです。
花は単なる飾りではなく、感謝や敬意を表す意味が込められています。
また、美しい花を供えることで仏様への敬意を示し、手を合わせる人の心も穏やかにしてくれる存在です。
お盆におすすめの花12選
お盆に飾る花には決まりはありませんが、暑さに強く日持ちしやすい花が人気です。
ここでは、お盆によく選ばれる代表的な花をご紹介します。
菊(キク)
仏花といえば真っ先に思い浮かぶのが菊です。
昔から邪気を払う縁起の良い花とされ、暑さにも強く、花びらが散りにくいためお盆のお供えに最適です。
白だけでなく黄色や紫、ピンクなど色も豊富で、最近では洋菊(マム)を取り入れた華やかな仏花も人気があります。
花言葉
- 高潔
- 信頼
- 高貴
ユリ
清楚で上品な印象を与えるユリは、お盆のお供えとしても人気があります。
特に白いユリは故人への敬意を表しやすく、新盆にも選ばれることが多い花です。
ただし花粉が付きやすいため、飾る前に取り除いておくと安心です。
また、猫を飼っている家庭ではユリは非常に危険な植物なので十分注意しましょう。
リンドウ
リンドウは夏から秋にかけて咲く代表的な仏花です。
上向きに咲く姿が縁起が良いとされ、「悲しみに寄り添う」という花言葉もお供えにふさわしい理由の一つです。
落ち着いた青紫色は仏壇を上品に彩ってくれます。
トルコキキョウ
優雅な雰囲気が魅力のトルコキキョウは、暑さに強く花もちが良いのが特徴です。
近年では仏花にもよく使われており、洋風のお供え花としても人気があります。
花言葉
- 希望
- 優美
- 美しい思いやり
スターチス
スターチスは乾燥にも強く、ドライフラワーとしても楽しめる花です。
「変わらぬ心」「永遠の記憶」という花言葉から、大切な人への想いを込めて選ばれることも少なくありません。
カーネーション
母の日の印象が強いカーネーションですが、お供え花としてもよく使われます。
水もちが良く、花びらも傷みにくいため、お盆の暑い時期でも比較的長く楽しめます。
胡蝶蘭
格式の高さと上品さを兼ね備えた胡蝶蘭は、新盆や法要のお供えとして人気があります。
見た目が華やかなだけでなく、花もちも非常に良いため、贈答用としてもおすすめです。
ケイトウ
個性的な形が特徴のケイトウは、古くから親しまれてきた植物です。
丈夫で暑さに強く、お盆の時期でも元気な姿を保ちやすい花として知られています。
キンセンカ
鮮やかな黄色やオレンジ色が印象的なキンセンカ。
夏の暑さにも負けず咲き続けるため、お盆のお供えにも向いています。
グラジオラス
背が高く豪華な印象を与えるグラジオラスは、お仏壇だけでなく墓前にも映える花です。
「努力」「思い出」という前向きな花言葉も魅力です。
ミソハギ
ミソハギは「盆花」と呼ばれるほど、お盆と深い関わりを持つ植物です。
地域によっては、ご先祖様がその露を好むと考えられ、お供えとして古くから親しまれています。
ほおずき
花ではありませんが、お盆を象徴する植物として欠かせない存在です。
提灯のような形をしていることから、ご先祖様の道しるべになるともいわれています。
盆棚に飾ったり、仏壇の近くへ吊るしたりして飾る地域もあります。
新盆(初盆)の花選び
故人が亡くなって初めて迎えるお盆を「新盆(初盆)」と呼びます。
新盆では白い花を中心にまとめる「白上がり」が一般的とされています。
一方で、四十九日を過ぎている場合は淡い紫やピンク、黄色などを取り入れた優しい色合いの花を選ぶケースも増えています。
地域や宗派によって考え方が異なるため、迷った場合は家族や菩提寺へ確認すると安心です。
お盆のお供えで避けたほうがよい花とは?
お盆に供える花には厳格なルールはありませんが、昔から「仏事には不向き」と考えられてきた種類があります。
地域や宗派によって考え方は異なるものの、迷ったときは以下のような花を避けると安心です。
毒性のある花
毒を持つ植物は「毒を供える」というイメージにつながることから、お供えには不向きとされています。
代表的な花
- 彼岸花
- スズラン
- 水仙
- シャクヤク
- チューリップ
- ポピー
- アジサイ
特に、小さなお子さんやペットがいる家庭では誤飲の危険もあるため注意が必要です。
トゲのある花
トゲは「殺生」や「流血」を連想させるため、お供えでは避けられる傾向があります。
代表例
- バラ
- アザミ
どうしても故人が好きだった場合は、トゲを取り除いて飾るという考え方もあります。
香りが強すぎる花
お供えでは線香の香りを大切にするため、香りが強い花は控えたほうがよいとされています。
例えば次のような花です。
- キンモクセイ
- カサブランカ
- オミナエシ
ただし絶対的な決まりではないため、家庭や地域の考え方を優先しましょう。
散りやすい・縁起が気になる花
花が丸ごと落ちるものや、日持ちが極端に短い花は「別れ」や「死」を連想させるとして避けられることがあります。
代表例
- ツバキ
- サザンカ
- ムクゲ
一方で、近年では故人が好きだった花を優先する家庭も増えています。形式だけにこだわるのではなく、故人を想う気持ちを大切にすることが何より重要です。
お盆の花は生花・造花どちらがよい?
お供え花にはさまざまな種類があります。
それぞれ特徴が異なるため、飾る場所や管理のしやすさを考えて選びましょう。
生花
もっとも一般的なのが生花です。
みずみずしく自然な美しさがあり、香りも楽しめるため、多くの家庭で選ばれています。
メリット
- 自然な美しさがある
- 季節感を演出できる
- 仏壇やお墓が華やかになる
デメリット
- 水替えが必要
- 夏場は傷みやすい
- 毎日のお手入れが欠かせない
造花
近年の造花は非常に精巧に作られており、一見すると本物と見分けがつかないものもあります。
メリット
- 水替え不要
- 長期間飾れる
- 枯れない
- 暑い季節でも安心
デメリット
- 生花に比べると自然な香りはない
- 地域や寺院によっては好まれない場合がある
プリザーブドフラワー
特殊加工された生花で、美しい状態を長期間保てるのが特徴です。
最近ではコンパクトなお仏壇用の商品も増えています。
メリット
- 長期間美しい状態を保てる
- 水やり不要
- コンパクトで飾りやすい
注意点
- 直射日光に弱い
- 湿気が多い場所では劣化しやすい
花束とアレンジメント、どちらを選ぶ?
お供え花には大きく分けて「花束」と「フラワーアレンジメント」があります。
花束がおすすめのケース
花束は花立や花瓶に活けるタイプです。
次のような場面に向いています。
- 仏壇に供える
- お墓参りへ持参する
- 自分で長さを調整したい
アレンジメントがおすすめのケース
吸水スポンジに花が活けられているため、そのまま飾れます。
おすすめなのは
- 遠方へ配送する場合
- 高齢の方へ贈る場合
- 花瓶がない家庭
手間が少なく、届いてすぐ飾れる点が人気です。
お盆の花を贈るタイミング
親戚や知人へお供え花を贈る場合は、お盆入りまでに届くよう手配するのが一般的です。
目安は次の通りです。
- 7月盆:7月12日頃まで
- 8月盆:8月12日頃まで
お盆直前は花屋が混み合うため、余裕を持って予約すると安心です。
お供え花の相場
金額は贈る相手との関係によって変わりますが、一般的な目安は以下の通りです。
- 3,000~5,000円:友人・知人
- 5,000~10,000円:親族
- 10,000円以上:新盆・初盆や特別なお供え
高価な花を贈ることよりも、気持ちを込めて選ぶことが大切です。
仏壇への飾り方
仏壇では左右一対で花を飾るのが基本です。
ただし、最近はコンパクト仏壇も多いため、花立が一つでも問題ありません。
飾る際は次のポイントを意識しましょう。
- 花がご本尊より高くなりすぎない
- 左右の高さを揃える
- 傷んだ花は早めに取り替える
お墓への供え方
お墓では左右一対で供えるのが一般的です。
花の長さは花立に合わせて調整すると見栄えがよくなります。
また、お参り後も長期間放置すると枯れて景観を損ねる場合があります。
霊園のルールに従い、必要に応じて持ち帰ることも大切です。
お盆の花を長持ちさせるコツ
暑い時期だからこそ、少しの工夫で花もちが大きく変わります。
水切りをする
花を飾る前に、水の中で茎を斜めに切る「水切り」を行うと、水を吸い上げやすくなります。
毎日水を交換する
花瓶の水は毎日取り替えましょう。
茎のぬめりも洗い流すことで雑菌の繁殖を防げます。
涼しい場所へ飾る
直射日光やエアコンの風が直接当たる場所は避けましょう。
室温が高すぎる場所では花が傷みやすくなります。
枯れた花は早めに取り除く
傷んだ花をそのままにすると、他の花まで傷みやすくなります。
美しい状態を保つためにも、こまめなお手入れがおすすめです。
よくある質問
造花でも失礼になりませんか?
基本的には問題ありません。
近年では管理のしやすさから造花やプリザーブドフラワーを選ぶ家庭も増えています。
ただし、地域や寺院によって考え方が異なるため、不安な場合は事前に確認すると安心です。
故人が好きだった花を供えてもいい?
もちろんです。
形式や慣習も大切ですが、それ以上に故人を想う気持ちが供養につながると考えられています。
トゲや毒性などに配慮しながら、生前好きだった花を取り入れる家庭も少なくありません。
花は何本飾ればいい?
仏花は奇数本でまとめることが多く、3本・5本・7本などが一般的です。
奇数は「割り切れない数字」であり、ご縁が切れないようにという願いが込められています。
まとめ
お盆の花は、ご先祖様や故人への感謝と供養の気持ちを表す大切なお供えです。
おすすめの花には、菊やユリ、リンドウ、トルコキキョウ、胡蝶蘭、スターチスなどがあり、暑さに強く日持ちする種類が多く選ばれています。
一方で、毒性がある花やトゲのある花、香りが強すぎる花などは避けられる傾向があります。
ただし、地域や宗派によって考え方は異なるため、迷った場合は家族や菩提寺へ確認すると安心です。
また、生花だけでなく造花やプリザーブドフラワーを選ぶ家庭も増えており、それぞれのライフスタイルに合わせた選択ができます。
最も大切なのは、形式にとらわれすぎることではなく、故人やご先祖様を偲び、心を込めてお迎えすることです。
今年のお盆は、想いを込めた花を飾り、感謝の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました!
