冬の高速道路における最大のリスクといえば「大雪による立ち往生」です。
この問題に対して、NEXCO中日本がまさに“切り札”となる新たな装備を発表しました。
それが、雪上走行も可能な防災用EVバイクです。
見た目はオフロードバイクのようですが、後輪がキャタピラに換装できるという革新的な仕様。
この記事では、話題の防災用EVバイクの特徴、導入目的、性能、そして気になる免許区分まで詳しく解説します。
大雪対策の新兵器「防災用EVバイク」とは?

画像引用元:ECナビ
2025年10月16日・17日に東京ビッグサイトで開催された「ハイウェイテクノフェア2025」にて、NEXCO中日本が披露したのが防災用EVバイクです。
この車両は、大雪による立ち往生車両や渋滞への対応を目的に開発された電動バイクで、災害時の初動対応を担う重要な装備として注目を集めました。
ベースモデルは中国製のオフロード向けEVバイク「サーロン Light Bee L1e-C」です。
軽量でパワフルな電動モーターを搭載し、雪上仕様へのカスタムにも適した設計です。
キャタピラとスキーで雪上走行が可能に
この防災用EVバイクの最大の特徴は、カナダ製の専用クローラー(キャタピラ)とスキー板を装着できる構造にあります。
これにより、雪上でも安定した走行が可能になります。
担当業者によると、スノーモービルでは進入できないような狭い道路や未除雪エリアでも、このEVバイクなら機動的に走行できるとのこと。
つまり「バイクの軽快さ」と「スノーモービルの走破性」を兼ね備えた、新世代の雪上モビリティといえます。
防災活動での活用目的
NEXCO中日本では、このEVバイクを災害時の緊急輸送用として導入しています。
大雪で車両が動けなくなった高速道路では、救援物資の輸送が困難になりますが、防災用EVバイクなら問題なし。
主な用途としては以下の通りです。
- 立ち往生した車両への飲料水・食料の輸送
- 負傷者や急病人の搬送(牽引ソリを接続して移動可能)
- 現場の初動調査や通信・連絡の確保
クローラー装着時には牽引用ソリを接続可能で、大人1人分程度(約70kg)の荷重でも輸送できるそうです。
担当者は次のように話しています。
「大雪による立ち往生現場は通常の車両ではたどり着けません。スノーモービルでも限界があるため、このEVバイクを初動対応に活用する計画です。」
2024年の冬から実際に運用が始まり、現在は中日本エリアに13台が配備済み。
幸いにも前冬は出動機会がありませんでしたが、今後の降雪シーズンで活躍が期待されています。
性能・航続距離・価格
防災用EVバイクのスペックも見逃せません。
- 車両価格:本体 約60万円
- 雪上仕様カスタム込み:約200万円
- 航続距離:雪上で最大約50km、未圧雪地で約10km
- 充電時間:フル充電まで約3時間
電動モーター駆動のため、燃料補給の手間がなく、夜間や密閉空間でも排ガスを出さずに稼働可能。
雪質によって走行距離は変化しますが、電動ならではの静粛性とトルクの強さで、災害現場でも安定した性能を発揮します。
免許区分は?原付?それとも普通免許?
ここで気になるのが、「どんな免許で乗れるのか?」という点です。
ベース車両である「Light Bee L1e-C」は、一般的な原付二種(小型二輪)免許で運転できます。
しかし、クローラー(キャタピラ)とスキーを装着した場合は構造が変わるため、法的な車両区分が変更されます。
NEXCO中日本の担当者によると、警察への確認の結果、
「クローラー装着時は三輪で走行する“トライク”と同等の扱いになるため、普通自動車免許が必要」
とのこと。
つまり、雪上仕様にした場合は原付ではなく、普通免許を持っている人しか運転できないというわけです。
構造変更による区分変更は、災害対応車両では珍しくありませんが、一般ユーザーが同様の改造を行う場合には注意が必要です。
まとめ:大雪時の“初動対応”を支える未来型EVバイク
今回紹介した「防災用EVバイク」は、まさに大雪災害への新たな対策装備。
軽量・静音・高機動という電動モビリティの利点を活かしながら、キャタピラ仕様で雪上を自在に走行できるのは大きな進歩です。
この記事のまとめ:
- 防災用EVバイクは大雪時の立ち往生対策としてNEXCO中日本が導入
- 前輪スキー+後輪キャタピラに換装し、雪上でも走行可能
- 飲料水・食料の輸送や救助支援など多目的に活用
- 航続距離は最大50km、充電3時間で稼働
- 通常時は原付二種免許、雪上仕様時は普通免許が必要
大雪による交通マヒが懸念される日本の冬において、こうした防災装備の進化は頼もしい限りです。
“出動しない冬”が理想ですが、もしもの時にこのEVバイクが活躍することで、多くの命と交通を守ることになるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました!
